相続放棄をした者は相続人にならない
相続放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。そして相続放棄者の直系卑属について代襲相続も発生しません(887条2項参照)。
例えば、Aが父甲の相続を放棄した場合、Aの子Bは父甲(Bからは祖父に当たる)の遺産を相続することはできません。
次順位の相続人が相続する
相続放棄をすると、相続放棄した人は最初から相続人にはなかったことになり、次順位の相続人に相続の権利が移ります。
例えば、第一順位の相続人となる全ての子どもが相続放棄を行った場合、その子どもはそもそも相続人ではなかったという扱いになるため、相続人の順位自体に変動が生じることになります。
そして、第二順位の相続人である被相続人の両親がいた場合は相続権が両親に移ります。
その両親が死亡していたり相続放棄をした場合、第三順位となる被相続人の兄弟へと、相続権が移ることになり、被相続人よりも先に亡くなった兄弟姉妹がいる場合には、代襲相続人である甥姪へ相続権が移っていきます。
相続放棄と遺産分割協議書
相続放棄をする場合、被相続人(亡くなった人)の相続財産を勝手に処分すると原則として単純承認とみなされ相続放棄をすることができなくなることは前述しました。しかし通常、葬式代は、亡くなったひとの預金から出すのが普通です。この葬儀代を被相続人の預金から支払った場合も単純承認とみなされ相続放棄をすることができなくなるのでしょうか。
これについては「身分相応の、当然営まれるべき程度の葬式費用」に充てられた場合には、単純承認には当てはまらないとされています(平成14年7月3日の大阪高等裁判所の判決)。
ただし、確実に相続放棄できるとは言い切れません。あくまで葬式費用が妥当な場合に限り、単純承認の「相続財産の処分に当たらない」とされているのみです。通常よりも豪華な葬式を行うなど、身分相応でない葬式費用の場合は、相続放棄の申述が認められないこともあるので注意をしましょう。
相続放棄と葬儀費用
相続放棄をする場合、被相続人(亡くなった人)の相続財産を勝手に処分すると原則として単純承認とみなされ相続放棄をすることができなくなることは前述しました。しかし通常、葬式代は、亡くなったひとの預金から出すのが普通です。この葬儀代を被相続人の預金から支払った場合も単純承認とみなされ相続放棄をすることができなくなるのでしょうか。
これについては「身分相応の、当然営まれるべき程度の葬式費用」に充てられた場合には、単純承認には当てはまらないとされています(平成14年7月3日の大阪高等裁判所の判決)。
ただし、確実に相続放棄できるとは言い切れません。あくまで葬式費用が妥当な場合に限り、単純承認の「相続財産の処分に当たらない」とされているのみです。通常よりも豪華な葬式を行うなど、身分相応でない葬式費用の場合は、相続放棄の申述が認められないこともあるので注意をしましょう。